葉酸の基礎知識のまとめ|葉酸とは?
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【目次】
葉酸とは?
葉酸は、全身に酸素を運ぶ赤血球の働きを助ける栄養素(ビタミン)です。
葉酸は、DNAの合成に関わる栄養素(ビタミン)です。
葉酸は、胎児の健康な発育にかかわる栄養素(ビタミン)です。
葉酸は、1941年に、ほうれん草から発見されました。
葉酸(ようさん、英folate)は別名 ビタミンM、ビタミンB9、プロテイルグルタミン酸とも呼ばる、水溶性ビタミンのビタミンB群の1種であり生理活性物質です。
生理活性物質とは、わたしたちの身体の働きを調節する役割をもった物資のとこです。ビタミン、ミネラル、酵素なども含まれ、アミノ酸から作り出されるホルモン、神経伝達物質もその1つです。
葉酸は補酵素の働きもするので、DNA合成に重要な働きをしています。葉酸が欠乏すると、細胞分裂がうまく進まなくなり、これが胎児の発育に関係します。
葉酸が妊婦さんに必要な理由?
葉酸の栄養機能食品などを、妊娠前から飲むことは神経管閉鎖障害児出産の危険を減少させることが知られています。
胎児には、葉酸がとても大切で、妊娠前後の十分量の摂取によって、二分脊椎や無脳症などの神経管閉鎖障害のリスクが下がることが多くの研究から明らかにされています。
葉酸は、いつからいつまで加えて飲めばいいの?
厚生労働省は、妊娠計画中、妊娠1ケ月前〜妊娠3ケ月中は葉酸400μg、妊娠中・後期は葉酸240μg、授乳中100μgを加えるように推奨しています。
その他の時期は、食事をバランスよく摂れていれば、あえて追加して飲まなくても問題ないです。
1人目を出産して、2人目を考えているお母さんは、引き続き飲んでいた方が良いです。
葉酸が妊娠や授乳中に欠乏するとどうなるの?
葉酸は、妊娠や授乳による必要量が増えると、足りなくなり、貧血、免疫機能が下がったり、消化管機能異常の胃部不快感などの症状が見られます。
葉酸の効果・効能
- 神経管閉塞症(NDT)など胎児の先天性奇形の予防
- 心臓病の予防
- がんの予防
- 高血圧予防
- 脳梗塞の予防
- 認知機能低下、認知症やアルツハイマー病予防
- うつ病の予防
- 白斑の予防
葉酸が多く入っている野菜や果物は?
分類 | 食品 |
---|---|
野菜 | ほうれん草、ブロッコリー、小松菜、アスパラガス、モロヘイヤ、パセリ、芽キャベツ、しゅんぎく、大根、サニーレタス、オクラ、カリフラワー、かぼちゃ、とうもろこし など |
肉類 | 鶏レバー、牛レバー、豚レバー など |
魚類 | うなぎ、生うに など |
藻類 | 焼のり、こんぶ、ひじき など |
豆類 | 枝豆、納豆、インゲン豆 など |
果物類 | いちご、アボカド、バナナ、キウイ、マンゴー、くるみ、アーモンド など |
その他 | エリンギ 舞茸 えのき など |
葉酸サプリの摂取目安
妊娠を計画している女性や妊娠の可能性がある女性は、胎児の神経管閉鎖障害のリスクを低減させるため、妊娠の1ケ月以上前から妊娠3ケ月までの間、1日当たりの通常の食事から摂取する以外に、さらにモノグルタミン酸型の葉酸400μgの摂取が望まれています。
この量は、健康食品などの「葉酸」からの摂取を考えたのもで、「食事性葉酸(ポリグルタミン酸型)」ではなく「モノグルタミン酸型葉酸」で考えられています。
葉酸の耐容上限量は、「モノグルタミン酸型葉酸」の葉酸で、900〜1000μg/日といわれており、これを日常の食事だけで摂ることは難しいと考えられています。(例えば、ブロッコリーで、1.5kg〜1.67kg/日食べ続けることになります)
栄養補助食品の葉酸を、適正量飲んでいれば葉酸の摂り過ぎにはならないので心配いりません。
葉酸を摂りすぎるとどうなるのか?
葉酸を(モノグルタミン酸型葉酸)を大量(1000〜10000μg)に摂ると、発熱、蕁麻疹、かゆみ、などの葉酸過敏症をおこすことがあると報告されています。
葉酸サプリをすすめる理由
妊娠期には、胎児の障害のリスクを減らすと考えられている栄養素であり、葉酸を摂ることにより新生児障害(神経管閉鎖障害)の50〜70%を予防しうることが示されていることから、現在、アメリカをはじめ、53ヶ国で製品への配合が推奨されています。
サプリメント先進国アメリカでは、女性が積極的に葉酸を摂取しています。
日本は、新生児障害の1つである二分脊椎症の発生頻度が高めで、厚生労働省は、妊娠を計画している女性に対し、十分な葉酸の量を摂取することを呼びかけており、栄養補助食品等の利用も含め効果的に摂るように通知をだしています。
一般の野菜や果物といった食品中に含まれる葉酸(ポリグルタミン酸型の葉酸)は、調理の熱や長期保存による酸化によって壊れてしまい、体内での吸収率も50%といわれており、妊娠期の推奨量を日常の食事のみで満たすことは難しいと言われています。
その理由から
栄養補助食品の一つの葉酸サプリから摂ることをおすすめします。
栄養補助食品は、食事で充分に摂れない栄養素を補う目的で、栄養素がカプセル、錠剤、粉末個包装紙、液状アンプル、液体型容器のかたちで濃縮されている食品です。
厚生労働省は、栄養補助食品から1日400μgの葉酸を摂取すれば神経管閉鎖障害の発症リスクが減ることを期待できる通知を出しています。
必ず葉酸サプリでと指定はないですが、確かに葉酸を400μgかつ他の栄養素も同時に摂れる葉酸サプリをおすすめしたいと思います。
知っておきたい葉酸の種類と吸収率とは?
葉酸には、大きく分けて2種類あります。身体への吸収率がポイントで、モノグルタミン酸型葉酸(合成葉酸)>>ポリグルタミン型葉酸(天然葉酸)でありモノグルタミン酸型葉酸(合成葉酸)の方が身体の吸収率が高くなります。
サプリメント先進国であるアメリカ合衆国では、疫病管理センターから、1992年より妊娠が可能な全ての女性に「葉酸を1日400μg摂取しましょう」という推奨をしています。
それにより、国民の葉酸への意識も高く女性が葉酸入りの食品を積極的に摂取するように心がけています。
葉酸サプリの合成=悪い、天然=良いというイメージは違います
日本語の意味からのイメージですと、合成=悪い、天然=良いと考えるかもしれません。
しかし、葉酸の世界では、全く違うのです!!葉酸の世界では、合成葉酸(モノグルタミン酸型葉酸)は、葉酸を身体に吸収しやすいかたちでサプリメントや健康食品に含まれているものになります。
その中でも、信頼のできる合成葉酸(モノグルタミン酸型葉酸)を選ぶようにしましょう!!
また、なぜ、厚生労働省は、食事に加えて、栄養補助食品で葉酸を摂ることを推奨しているのでしょうか?
その理由は、食事由来の天然葉酸は、水に弱い、熱に弱い、保存に弱い、毎日食べきれない量のものだからです。
モノグルタミン酸型の葉酸とポリグルタミン酸型の葉酸とは?
神経管閉鎖障害のリスクが下がるという研究は、主にモノグルタミン酸型の葉酸での結果になります。
葉酸(天然葉酸)は、ほとんどが複数のグルタミン酸が結合した、「ポリグルタミン酸型」でありますが、葉酸サプリなどに配合されている葉酸は、グルタミン酸が1つだけ結合した「モノグルタミン酸型」になります。
食品中の「ポリグルタミン酸型の葉酸」は、調理の熱、水、保存に弱く、また、酸性の胃酸で結合したものが離れ、消化管の酵素によって分解されて「モノグルタミン酸型の葉酸」になり、小腸の上皮細胞から吸入されます。
天然葉酸は、基本タンパク質や酵素と結合した状態で存在しています。
妊活妊娠ママの身体の中に入って、吸収されやすい合成葉酸と同じ形になって吸収されます。
合成葉酸は、タンパク質や酵素などのお荷物を持たず、独り立ちした状態で体内に入った時にそのまま吸収される状態になっていると言えます。
「食事性葉酸」の体内での利用効率はモノグルタミン酸型と比べ、「日本人の食事摂取基準(2010年版)」では50%となっています。
葉酸の摂取は母子手帳にも書かれています!
2002年からは、母子手帳にもその摂取が書かれています。
しかし、葉酸情報が載っている母子手帳をもらってから(妊娠9週目以降に受け取り)ですと、葉酸摂取が遅れてしまうことが心配されています。
なぜなら、胎児の大切な時期は、脳や脊髄などの元となる重要な器官が作られる妊娠28日目頃までだからです。
葉酸が不足・過剰な場合どうなるのか?
葉酸が不足すると、動脈硬化の危険因子となるホモシステインをメチオニンやシスティンに変える代謝が進まなくなります。
ホモシステインはアミノ酸の一種であり、血管の柔軟性を奪ったり、血栓を生成して動脈硬化を加速させる作用があります。また、ホモシステインが増えると血管内で活性酸素を作り動脈硬化になりやすくなります。
また、葉酸が不足し血を造る機能が、弱まると巨赤芽球性貧血、神経障害、腸機能障害が起こります。
葉酸(モノグルタミン酸型)を大量(1〜10mg)摂取すると、発熱・蕁麻疹・紅班・かゆみ・呼吸障害などの葉酸過敏症を起こすことがあります。
また、「妊娠後期(30〜34週)に1mg(1000μg)の葉酸(モノグルタミン酸型)を飲んでいた場合は、飲んでいなかった場合と比べて、小児が3.5歳の時点で喘息になるリスクが1.26倍高くなった」という報告もあります。
国民生活センター記載参考;American Journal of Epidemiology Advance Access published October 30, 2009「Effect of Supplemental Folic Acid in Pregnancy on Childhood Asthma: A Prospective Birth Cohort Study」より
不足も過剰も何かしらの影響があるので範囲内の適正な摂取量を守りましょう。
普通に生活をしていれば1000μgは超えません。この1000μgの量は、モノグルタミン酸型の算出になります。
平成26年国民健康・栄養調査には、 20〜29歳は242μg 30〜39歳は232μg食事性葉酸を摂取できることが統計上でています。
食事性葉酸は、吸収率50%であると考えると、まだ余裕があります。
モノグルタミン酸型葉酸の摂取を守り、規定の飲み方以上に大量に飲まなければ超えることはありません。
葉酸の効果的な摂取方法
葉酸サプリは、栄養補助食品であり決められた摂取方法、時間帯があるわけではありません。身体への吸入量を高めるために、おすすめしたい時間帯は、食後2時間などの空腹時です。
しかし、胃が弱い方は、空腹時に摂ることで胃に負担がかかりそうでしたら食後飲んでも大丈夫です。
葉酸サプリ広告「天然・自然」素材だから「安心・安全」と言えますか?
葉酸サプリのネット通販の広告でも、「天然・自然=安心・安全」のようなイメージで紹介している商品を多く目にします。
本当に、天然・自然の素材だから、安心・安全と言えるのでしょうか?実は、天然・自然だからと言って、安心・安全とは限らないのです。
大切な赤ちゃんとお母さん自身のために、妊娠前、妊娠中、授乳中と長期にわたり飲むこともあり、品質や成分に関してより細かく情報が求められていることも充分理解します。
しかし、野菜のオーガニック、無農薬のイメージと葉酸サプリは違います。
天然由来製品が、合成品に比べて、品質・安全性が優位だという証拠はありません。
「天然・自然です」の表現は、その、製品の安全性や有効性を証明するものではないということです。
葉酸サプリに関しては、何の目的のために飲むのか?どういったものが推奨されているのか?を基準に選びましょう。
葉酸サプリを飲む目的は、妊活中〜妊娠初期ですと、子宮内膜の強化、受精卵を着床しやすくしかつ細胞分裂を活性化させる、胎児の神経管閉鎖障害(二分脊椎・無脳症)の発症予防、妊娠中・後期は、流産のリスク軽減、貧血、高血圧予防、出産後は、母乳の質を上げる、子宮の回復促進などです。
そして、そのために、厚生労働省から推奨されているのは、妊娠前〜妊娠3ケ月までモノグルタミン酸型の葉酸(合成葉酸)400μgになります。
その後は、推奨量も減りますので、モノグルタミン酸型の葉酸での調整かポリグルタミン酸型の葉酸を服用しても良いと思います。
葉酸の耐容上限量は、モノグルタミン酸型の葉酸で900〜1000μgになりますので、通常の飲み方を守れば出産後まで、1日400μg摂っていただいても、錠数を減らしてもどちらの判断でも良いかと考えます。
葉酸サプリ「有名人」のおすすめは安心!?
葉酸サプリでも、有名人の方を広告に起用されている商品もあります。そこには、大きな広告費用がお仕事でかかっています。
有名人の方が、そのを商品を飲んでいたかもしれませんが、事実は分かりません。
その商品を有名人の方が飲んでいたから大丈夫!その商品は、有効性があるという訳ではありません。
広告メディアの雑誌の掲載など製品の有効性とは無関係な情報は、差し引いて、情報を受けとめるようにしましょう。
広告では、商品の情報の一部(良い面)だけを大きく伝えている場合がありますので、よく検証しましょう。テレビのCMと同じですね。
いかがでしたか?
健康と安心を作るのは、自分の行動からです。
お母さんと赤ちゃんの健康の基本は栄養バランスのとれた食生活、適度な休養、時期に応じた適度な運動です。
それをサポートするために、栄養補助で葉酸サプリがあればより安心です。
悪阻(つわり)の時期は、食べれないこともあるので食べれる物から食べ、葉酸サプリを活用すると栄養補給にもなります。
余談ですが、
仕事をしていると、ついつい頑張り過ぎてしまうと思いますが、重いものなどは無理せずに勇気を出してお願いしましょう。
一般的には、妊婦が持ってよいのは10kgまでとされているようです。
結構、重い重量ですが、実際ところは、重さではなく、自分のお腹のはりなどの身体症状で考えてくださいね。
持っても大丈夫かな?と気持ちが不安になったり迷うような重さのものは、持たない方がよいかもしれません。
健康で安心安全な妊活妊婦ライフを送ってくださいね。