葉酸の海外事情はどうなっているの?海外と日本の葉酸サプリの違い
ゆうこさん、海外の葉酸摂取の事情はどうなのでしょう?
葵さん、海外でも葉酸についておすすめているのか?海外事情、少し気になりますよね。
アメリカでは1992年頃から妊活、妊娠中の女性に葉酸の摂取を推奨しています。
日本は、2000年に厚生労働省が「神経管閉鎖障害の発症リクス低減の通知」をだし、2002年に母子手帳に初めて記載されました。
日本は、10年弱遅れていますね。
アメリカは、医療保険の制度がないので予防医学に力を入れています。そのため、栄養補助食品(サプリメント)文化です。
日本は、サプリメントや葉酸の摂取の認知が少なく遅れているかもしれません。ここでは、日本との海外の違いを見ていきましょう。
海外ではいつから葉酸摂取を推奨しているの?日本は?
葉酸推奨年 | 国 |
---|---|
1992年〜 | アメリカ、イギリス |
1993年〜 | カナダ、中国、アイルランド、ニュージーランド、ノルウェー、南アフリカ、オランダ |
1994年〜 | オーストラリア |
2000年〜 | 日本 |
胎児の神経管閉鎖障害(二分脊椎、無脳症)の予防のために、他の国では以前からすすめられています。
アメリカの葉酸摂取量について
アメリカでは、葉酸は「Folic acid」と葉酸サプリの原材料に書かれています。
妊娠計画中、妊娠中では、400〜800μgと幅広く葉酸を葉酸サプリで摂ることを推奨しています。
そして、妊娠中を通して葉酸を摂る必要があり、授乳中でも、母乳育児の女性は、500μgの葉酸を摂る必要があるとしています。
また、二人目妊娠希望している女性は、そのまま続けて、葉酸サプリを服用し続けることを推奨しています。
アメリカでは、二分脊椎児では多くの手術が必要になり、国全体では2億ドルにも上るそうです。そのため、葉酸の強化で予防策を講じています。
日本では、モノグルタミン酸型葉酸400μgを妊活中〜妊娠3ケ月まで推奨し、妊娠中期・後期では240μg、授乳中100μgと、アメリカとは逆で推奨量は減っています。
再妊娠で先天性異常を防ぐためにアメリカでは
一度、脳や脊椎の先天性欠損症の赤ちゃんを妊娠し、再び妊娠したい女性は、医師が4000μgの処方箋を書くことができます。
これは、通常の10倍量です。
先天性の異常を持った赤ちゃんを妊娠した女性は、葉酸の高用量を服用すると、再び妊娠した時に、先天性欠損症を持つ赤ちゃんのリスクをさげることができます。
また、二分脊椎の家族を持っている女性も、葉酸の高用量の処方箋をもらうことができます。
また、下記の方もより多くの葉酸を必要とします。これは、日本でも言われていることです。
病気の治療をするために薬を服用している
・てんかん
・2型糖尿病
・関節リウマチ、炎症性腸疾患腎臓病で透析をしている
肝疾患である
海外では葉酸の強化食品がつくられています
アメリカでは、1998年から穀物/穀物粉に葉酸の配合強化をしています。
朝食用シリアル
パン
小麦粉
パスタ
コーンミール
白米
カナダでは、1998年から白小麦粉やパスタ、チリは、2000年に小麦粉に葉酸の配合強化しています。
オーストラリア、ニュージーランドは、2009年後半から、製パン小麦粉の葉酸の配合強化をしています。
ベルギーでは、2007年に白米100gあたり1700μgの葉酸の配合に成功しました。
食事性葉酸では、生体内利用効率は50%と半分にさがるので850μgにはなります。
海外では葉酸の添加の義務化により二分脊椎の発生率がさがっています
国 | 二分脊椎の患者の減少率 |
---|---|
米国 | 50%(Mills JL, 2004) |
カナダ | 46%(De Wals P. 2007) |
メキシコ | 50%(de Villarreal LM, 2002) |
南アフリカ | 31%(Sayed A-R, 2008) |
チリ | 43%(Hertrampf E, 2008) |
学者の論文によると、葉酸の強化食品の実施により、全世界で年間15,000人の二分脊椎の発生が防止できました。
フランスの葉酸事情は?
フランス語で葉酸は、「Lacide folique」です。
フランスでは、赤ちゃんを希望している女性が葉酸を摂ることは常識のようです。
ドラックストアに行き、自分で手にして買うのではなく、カウンター越しに、どういった目的で飲むのか聞かれ、その必要量の商品を購入するのだそうです。
妊娠希望の人は、400μg、関節リウマチの薬の副作用予防では、5mg〜です。日本では、葉酸の5mgは処方箋でお薬として医師から処方されます。
フランスでは、店頭販売しているのは驚きです。
海外の葉酸摂取の事情はいかがでしたか?
海外では、葉酸を摂ることは日本よりも広く知られています。
日本では、まだ食品の葉酸の添加は義務になっていません。
一部の企業では、食品に葉酸を摂り入れているところもあります。
しかし、日本では、食生活の栄養バランスの変化により二分脊椎症が年々増加傾向にあります。
それを予防するためにできること、必要な葉酸の摂取量を、栄養バランスの摂れた食事とともに摂ることです。
健康な赤ちゃんを産むために、できることから始めましょう!
海外でも、葉酸摂取はおすすめされているのですね!日本も、生まれてくる赤ちゃんの健康のため、葉酸を摂ることが広まると良いですね!