葉酸サプリは男性不妊にも効果ある?夫婦で飲んだ方が効果的な理由
葉酸は、男性の正常な精子の形成に効果をしめします。
1998年世界保健機関・WHOのデータは、不妊に悩む夫婦の約半数(48%)が男性にも原因があるとしています。
妊娠計画中の女性は、厚生労働省から胎児の神経管閉鎖障害の予防のため、葉酸を400μg追加して飲むようにすすめられています。
しかし、現在でも、健康な赤ちゃんを授かりたい夫婦の夫(男性)には、厚生労働省は、葉酸の摂取を推奨していません。
アメリカでは、1998年から法律でパンと穀物に先天性欠損症を防ぐのを理由の一つに、葉酸を加えることを強化しています。
日常生活の食べ物なので、男性も食べますよね。アメリカ版のウィキペディアでは、葉酸の欄に不妊治療の男性・女性ともに葉酸摂取が必要であるという記載があります。
葉酸は、男性の正常な精子の形成に効果をしめします。
男性の不妊症ってあるのでしょうか?
男性不妊は、あります。男性不妊の場合は、泌尿器科が専門の検査を行います。
アメリカでは「葉酸の濃度が低い場合、精子の染色体の異常が起こるかもしれない」という報告があります
2008年3月19日に投稿されたアメリカの Health Day News for Healthier livingでは、「葉酸の濃度が低い場合、精子の染色体の異常が起こるかもしれない」と記事を書いています。
この研究は、カリフォルニア大学バークレー校のブレンダ・エスケナジ ( Brenda Eskenazi ) 氏 の発表を元に書かれたものになります。
この研究において、Eskenazi氏のグループは89人の健康な男性の精子から、染色体異常がある精子の数と、葉酸の摂取量の関係性について調査を行いました。
健康的な男性の精子においても1〜4%ほどの染色体異常、奇形の精子が存在すると言われています。
また、研究グループは、葉酸、亜鉛、ビタミンC、ビタミンEとベータカロチンの毎日の栄養摂取量についても調べました。
葉酸量が少ない男性と比較して、葉酸1日あたり722μg〜1,150μgまでの量を摂取した男性は、20〜30%パーセント、染色体の異常が低下した結果がでています。
葉酸が相対的に低い摂取の人は、染色体の異常による先天性欠損症と流産が起こる可能性もあるとのことです。
そのため、アメリカでは、葉酸サプリメントだけではなく、法律で食品にも葉酸の追加を強化しています。
しかし、この研究は、まだ葉酸と染色体異常の関連を決定的に証明したものではありません。(*葉酸の摂取量は、アメリカ人体型です)
以上のことから、葉酸摂取は、決定的に証明はされていませんが、染色体異常を軽減する働きがあると言えます。
染色体異常のある精子は、細胞分裂がうまくいかないなど受精卵の成長過程でも影響します。
男性の場合は、精子が生まれる3ケ月間ほどの過程で葉酸の働きが重要になります。
染色体異常がない健康な精子が多いという事は、受精の確立が高まり、その後の先天性的な問題も減ります。
葉酸が精子の健康を上げることから、葉酸サプリは男性にとっても効果的である可能性が高いと言えます。
これが、妊活中は、女性だけではなく男性も葉酸をとった方が良いと言われている理由です。
男性の葉酸の摂取量はどのくらい?
日本人男性は、栄養の摂れた食事をしているのであれば、追加して200μgの葉酸の摂取がすすめられています。
厚生労働省【男性の食事からの葉酸推奨量】
男性年齢 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 耐容上限量 |
---|---|---|---|
18歳〜29歳 | 200μg | 240μg | 900μg |
30歳〜49歳 | 200μg | 240μg | 1000μg |
平成25年国民健康・栄養調査概要
男性年齢 | 1日の葉酸摂取平均値 |
---|---|
20〜29歳 | 238μg |
30〜39歳 | 233μg |
栄養バランスの摂れた食事をしていれば、1日の葉酸摂取量は、平均値ではほぼ摂れていることになります。
しかし、特に追加の摂取量の規定はありませんが、妊活中の日本人の男性は、1日240μg〜400μgの葉酸がおすすめされています。食事性葉酸に加えて、200μgの葉酸サプリの追加が良いでしょう。
男性の耐容上限量も、女性と同量で、サプリメントや強化食品に含まれるモノグルタミン酸型の量で18〜29歳で900μg、30〜49歳で1,000μgと設定されています。
男性が葉酸を過剰摂取するとどうなるの?
葉酸(モノグルタミン酸型葉酸)を上限量摂ると、発熱・蕁麻疹・紅い皮疹・かゆみ・呼吸障害などの葉酸過敏症を起こすことがあります。
葉酸は、ビタミンB12と働いて、赤血球の生産を助ける造血ビタミンと言われています。
赤血球は、骨髄でつくられている血液の主な成分です。全身に酸素を運び、いらない二酸化炭素を運び出します。葉酸を過剰摂取すると、ビタミンB12が足りなくなります。
ビタミンB12が不足すると赤血球の生産が減り、全身に必要なだけの酸素がなくなり、貧血の状態になります。
葉酸の影響がなく、ビタミンB12のみの不足では、末梢神経障害による痺れなどがあります。症状の違いもあるのですが、ビタミンB12欠乏症の診断を難しくします。
また、亜鉛と結合して一体になってしまい小腸からの亜鉛の吸収を抑制する可能性もあります。
オーストラリア、ニュージーランドでは、モノグルタミン酸型葉酸1000μg以下の摂取であれば、ビタミンB12欠乏症が起こりにくいことを伝えています。
葉酸サプリでは、ビタミンB12も同時に摂れることも大切なポイントになります。
また、葉酸サプリを適正量飲んでいれば耐容上限量を超えることはありません。
男性の葉酸の摂取は、いつからが良いの?
精子は、3ケ月かけて作られます。男性の摂取は、女性の妊娠希望の3ケ月前から飲むことをおすすめします。
男性が葉酸サプリを摂取することのメリットとは?
夫婦で、葉酸サプリを飲むことは、夫婦で一緒に妊活に取り組むという一体感が生まれ、とても女性も嬉しいですし心強いでしょう。男性は、はじめは、サプリを普段飲み慣れていないこともあり抵抗を感じるかもしれません。
正常な精子の形成が、一番の目的ですが、葉酸は、細胞分裂が活性化することによる育毛効果もあります。
育毛効果は、男性にとってとても朗報です。男性は、女性が想像する以上に髪の毛を気にしています。これも伝えて一緒に、葉酸サプリを摂取しても良いでしょう。
男性の妊活の基本
煙草は吸うのをやめましょう
お酒はひかえめにしましょう
健康的な栄養のバランスが摂れた食事をしましょう
適度な運動を心がけましょう
健康的な生活習慣が、質の良い生殖機能につながります。