受ける前に知っておきたい!卵管造影検査の5つの知識
卵管造影検査の意義から痛み、その後の治療法まで解説!
不妊治療の最初の登竜門となるのが、卵管造影検査です。
卵管造影検査は痛い検査としても有名で、検査前から緊張している方も多いでしょう。
今回は、そんな心の不安を取り除くために痛みから予算、異常が判明した時の治療法まで、卵管造影検査で知っておきたい情報を分かりやすくお伝えいたします。
1. 卵管造影検査とは
卵管造影検査とは、生理が終了した後3〜4日経った排卵期の前に実施され、子宮腔内から造影剤を注入して造影剤が卵管を通過する様子を観察する検査です。
腟や子宮をしっかりと消毒した後、器具を固定し、管を差し込みます。
差し込んだ管から造影剤を注入し、レントゲンまたは超音波にて観察します。
超音波を用いた卵管造影検査は患者の負担が軽いというメリットがあるのですが、熟練した技術が必要になるため、レントゲン検査で行われる事が多いです。
卵管造影検査は、造影剤の広がり方も観察するため、検査をした翌日に再度レントゲンのみ撮影します。
費用は、5000円〜15000円程度となります。
2. 卵管造影検査で分かる事
卵管造影検査で分かる事は、卵管がきちんと通っているかどうかだけではありません。
自然妊娠を目指すためには、
の問題をクリアする必要があります。
卵管造影検査では、この4つのうちの3つであるピックアップ、卵管通過性、着床について物理的問題がないかが判明します。
具体的には、卵管の閉塞、卵管の癒着によるピックアップ障害、双角子宮や単角子宮のような子宮の奇形による着床障害がないかどうかを知る事ができます。
3. 卵管造影検査の治療的な面
卵管造影検査は異常を見つけるだけではなく、治療的な一面も持っています。
卵管に造影剤を通す事で、軽い詰まりや癒着を取り除き、ピックアップや卵管が通過しやすい状態になるのです。
卵管造影検査を行った後の半年間は妊娠しやすくなり、特に最初の3ヶ月は「ゴールデン期間」と呼ばれて自然妊娠の確率が上昇します。
そのため、卵管造影検査は、排卵しやすい状態に整えてから行う事が推奨されています。
4. 卵管造影検査の痛みについて
卵管造影検査を行う上で最も気になるのが、痛みではないでしょうか。
卵管造影検査は痛い事で有名な検査ですが、個人差が大きく、検査中ずっと痛いわけではありません。
痛みは生理痛を強くしたような痛さですが、癒着もなく卵管も通っている方は比較的痛みも軽くなります。
癒着や卵管の詰まりなどの異常がある方ほど痛みは強くなります。
卵管造影検査で痛みが強くなるのは、「消毒し器具で固定する時」「管を通す時」「造影剤を注入する時」の3つのポイントです。
不安が先行して体に力が入ってしまうと、何回も管を通し直す事になります。
痛みを和らげるためにも、検査を行う時はリラックスを心掛けましょう。
5. 卵管造影検査で異常が発覚した時の治療
卵管造影検査で異常が発覚した場合は、それぞれに対応した治療を行っていきます。
卵管周りの癒着が激しく、ピックアップ障害がある場合や卵管閉塞がある場合は、腹腔鏡下卵管形成術という手術で詰まりや癒着を取り除く事ができます。
この手術は保険適用の手術となりますが、実施機関が限られている事が難点の一つです。
子宮の奇形についても手術によって治療できるものもあります。
しかし、一般的には卵管閉塞が見つかった場合は、体外受精や顕微鏡下受精に治療がステップアップします。
いかがでしたか?
痛みがある検査と聞くとどうしても「受けたくない」と腰が引けてしまいます。
しかし、卵管造影検査は不妊治療を行う上で非常に重要な検査であり、治療の意味合いで行われる事も多数あります。
実際に、卵管造影検査をした後のゴールデン期間に妊娠された方はたくさんいるのですよ。
不安な時は看護師さんについてもらい、気持ちをリラックスさせて受けてくださいね。