不妊治療の基礎知識|夫婦で二人三脚で進みましょう
不妊症とは?
避妊をしないで夫婦生活を1年続けても妊娠の成立がない状況です。
不妊症の原因とは?
不妊症の原因は、個人で異なり様々です。
女性側の原因
卵巣機能不全、子宮内膜症、冷え性、虚弱体質、血の道症(女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のこと)、浮腫み
男性側の原因
無精子、性交障害
などが上げられます。不妊症の原因は、男女で各50%と言われています。
不妊治療は何をするの?
病院で医師がホルモン値を測り、排卵時期を予測し夫婦生活のタイミングを伝える方法です。
自分で行う場合は、基礎体温を測り、排卵日検査薬を使い排卵時期を知り、夫婦生活を合わせます。
排卵を多くさせる薬を使うことです。排卵誘発剤には、飲み薬と注射の2種類があります。
ホルモン値での判断にはなりますが、一般的には飲み薬で効果が不十分な場合は、注射薬を使用します。これらは、妊娠率を上げる目的で行います。
採取した夫(男性)の精液を、カテーテル(細い管)を使い子宮に直接入れることです。精子を卵子が受精しやすいところに入れる方法です。
子宮から取り出した卵子を体外で精子をふりかけ受精させます。その受精卵を培養した後に、細胞活性化が活発な受精卵を子宮に戻す治療方法です。
卵子に精子が自力で入り、受精する環境のみ整える方法です。
主流は顕微鏡で人が、極細ガラス管で卵子1個に直接精子1個を注入する方法です。その後、受精卵がある程度育ったら、子宮内に戻します。
この治療法は、半年をめやすに、次のステップへと手段や方法をより高度なものに変えていきます。
不妊治療の費用の目安
方法 | 金額(1周期分の治療費) |
---|---|
タイミング法(保険適用範囲) | 3,000円〜1万円位 |
排卵誘発剤(保険適用範囲) | 1,000円〜2万円位 |
人工授精(保険範囲外) | 1万〜3万円位 |
体外受精(保険範囲外) | 20万〜60万円位 |
顕微授精(保険範囲外) | 20万〜60万円位 |
特定不妊治療助成制度が体外受精、顕微鏡受精の不妊治療を受けた際に適用されます
助成金は、各都道府県、自治体によって違うので、一度窓口で確認をしてみてくださいね。
不妊治療は、医療費控除が使えます
自分と家族分の不妊治療費や医療費やなどすべて含めて計算します。
全てを足した医療費が10万円を超えると、確定申告時に医療費控除の申請をします。
戻ってくるお金が少なくても、次の年度の住民税が安くなります。
厚生労働省「第1回不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会」で平成25年5月2日に作成された資料です
「生殖補助医療」は、高度不妊治療を指します。
生殖補助医療技術を英語で言うと「Assisted Reproductive Technology(ART)」と言われています。
人工授精、体外受精、顕微授精になります。ART施行例の70%以上を占めるのが、顕微授精になります。
生殖補助医療治療数
当科初回ART(生殖補助医療)より5年間のART件数
特定不妊治療助成金を申請している症例数:36症例(/179症例20.1%)
治療回数と治療開始からの年月の関連
累積妊娠率・累積分娩率(全妊娠・全出産あたり)
治療開始年齢別流産率(全妊娠あたり)
妻の年齢別にみた不妊についての心配と治療経験
参考:「生殖補助医療の現状からみた特定不妊治療助成のあり方」 平成25年5月2日厚生労働省